産業医との委託契約と直接雇用契約の違いは何ですか？

委託契約は仲介会社を通じて産業医の業務を依頼する契約で、直接雇用契約は企業が産業医と直接契約を結ぶ方法です。委託契約では仲介会社が契約管理やトラブル対応を行うため、企業側の負担が少なくなります。一方、直接雇用契約は専属産業医の選任に適していますが、契約書作成には専門知識が必要です。

産業医の委託契約にかかる費用相場はいくらですか？

産業医の委託契約費用は、事業場の規模や訪問回数によって異なります。嘱託産業医の場合、月1回の訪問で月額5万円～15万円程度が一般的です。専属産業医の場合は、常勤勤務となるため年間600万円～1,000万円程度が相場となります。

委託契約で仲介会社や医療機関に報酬を支払う場合、源泉徴収は不要です。報酬は課税対象となり、消費税を含めた金額を支払います。一方、産業医個人に直接報酬を支払う場合は給与所得となるため、源泉徴収が必要です。

委託契約の場合、産業医ではなく仲介会社に対して契約解除を申し出ます。契約解除の条件や期間は契約書に記載されているため、事前に確認が必要です。また、契約解除後14日以内に新たな産業医を選任し、労働基準監督署へ報告しなくてはいけません。

50人未満の事業場は産業医の選任義務がありませんが、努力義務として産業医の活用が推奨されています。委託契約でスポット的に産業医を利用する単発契約も可能です。女性労働者の健康相談やメンタルヘルス対応など、必要に応じて産業医のサポートを受けられます。

仲介会社を利用することで、企業のニーズに合った産業医を紹介してもらえます。契約書の作成や訪問管理、報酬の一括管理など、専門知識がなくても安心して契約できます。また、契約後のトラブル対応や産業医の交代も仲介会社がサポートしてくれるため、企業の負担が大幅に軽減されます。

産業医契約は委任契約に該当するため、契約書に収入印紙は不要です。委任契約書は印紙税法上「不課税文書」となっており、直接雇用契約・委託契約・派遣契約のいずれの場合も収入印紙を貼る必要はありません。

委託契約で仲介会社や医療機関に支払う産業医契約料は「福利厚生費」に分類されます。これは、労働者の健康管理や職場環境の改善に関わる費用という考え方に基づいています。一方、産業医個人に直接支払う場合は「給与」として処理します。

産業医

2022年12月1日