産業医面談とは何ですか？

産業医面談とは、産業医と従業員が1対1で行う面談のことです。過重労働やメンタルヘルス不調のある従業員に対してアドバイスをするとともに、必要に応じて会社側に就業上の措置を提案します。従業員50名以上の事業場では産業医の選任が義務づけられており、過重労働者などへの面談実施も会社の義務です。

産業医面談はどんな時に実施されますか？

産業医面談は主に以下の場面で実施されます。（1）健康診断で異常所見があったとき、（2）ストレスチェックで高ストレスと判定されたとき、（3）休職の判定をするとき、（4）復職の可否を判定するとき、（5）長時間労働をしたとき（月80時間超の残業など）、（6）従業員が自ら希望したとき、などです。

産業医面談は拒否できますか？

従業員側に産業医面談を受ける法的義務はないため、拒否することは可能です。ただし、会社側には面談を実施する義務があります。面談を拒否する理由として「人事評価への影響」や「上司への情報漏れ」を懸念する方が多いですが、産業医面談は従業員の健康のために行われるものであり、評価には影響せず、本人の同意なく面談内容が会社に伝わることはありません。

産業医面談では何を話せばいいですか？

産業医面談では、仕事の状況のほか、睡眠などの健康状態について話します。具体的には、労働時間や業務内容、心身の不調、職場での悩み、生活リズムなどです。率直に自身の状況を伝えることで、産業医が適切なアドバイスや就業上の措置を提案できます。面談内容は守秘義務で保護されているため、安心して相談できます。

ストレスチェック後の産業医面談について教えてください

ストレスチェックで「高ストレス」と判定され、従業員から希望があった場合に産業医面談が実施されます。高ストレス者とは、自覚症状が高い人や、自覚症状が一定程度ありストレス原因や周囲のサポートが著しく悪い人を指します。面談では実際の仕事の状況を率直に話し、産業医が就業上の措置の必要性を会社側に意見します。

長時間労働での産業医面談はどのような場合に行われますか？

時間外や休日の労働時間が月80時間を超えており、疲労の蓄積が認められる従業員について、本人から申出があった場合に産業医面談が実施されます。長時間労働は仕事の負荷を大きくするだけでなく、睡眠・休養の機会を減少させるため、公私の状況をしっかり伝えることが重要です。

休職・復職時の産業医面談では何を確認しますか？

メンタルヘルス疾患から休職を申し出た従業員については産業医面談を行い、休職期間中も面談を実施して職場復帰の可否判断および職場復帰支援プランを作成します。治療状況や病状の評価のため、主治医からの情報収集が必要になることもあり、産業医と主治医の連携が重要です。最終的な復職可否の判断は事業者が決定します。

産業医面談は自分から希望できますか？

はい、従業員が自ら「受けたい」と申し出ることも可能です。健康面やメンタル面で不安があるとき、健康診断結果にわからないところがあるときなど、相談事があるときは積極的に活用しましょう。産業医は従業員の健康をサポートする立場なので、遠慮せず相談できます。

産業医面談の内容は上司に知られますか？

産業医面談で話した内容が上司に筒抜けとなることはありません。たとえば上司からのパワハラについて話しても、直接上司本人に報告されることはありません。緊急性が高い場合や就業上の措置が必要な場合に限り、必要な内容だけ会社側に報告されますが、その場合は事前に説明があります。面談内容によって不利益な取り扱いを受けることもありません。

会社側が産業医面談で注意すべき点は何ですか？

従業員が産業医面談を受けやすい環境づくりが重要です。具体的には、（1）面談が「従業員のため」であることを丁寧に説明する、（2）産業医とはどんな人か、何をするのかを社内に掲示する、（3）会社に伝える際は事前に本人の了解を得るよう産業医に依頼し、その旨を周知する、などの対応が必要です。従業員の不安を取り除くことで、面談の実効性が高まります。

Tag - 面談

産業医

産業医面談とは？義務や内容、話すべきことを解説

2020年4月10日