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産業医は会社の味方という印象がありませんか。
実際、外部相談窓口をご利用いただく方の中には、産業医は社員の敵であると考えてしまう方もいらっしゃいます。
今回は、産業医は本当に会社の味方なのか、産業医の立ち位置について考えてみましょう。
目次
産業医面談とは?
産業医面談とは、社員と産業医で1対1で行われる面談であり、健康に関するサポートやアドバイスを行います。
産業医面談が行われるのは以下のタイミングです。
健康診断の事後措置
長時間労働者と認められたとき
休職・復職時
自身の健康について相談したいとき
もし、高ストレス者や長時間労働者として認められた労働者が希望した場合は、必ず産業医面談を実施する必要があります。
一方で、社員が希望しない場合は産業医面談を強制することはできません。
しかし、社員の健康を守るうえで産業医面談は非常に重要であり、実施を促す取り組みが求められます。
産業医は社員の敵?会社とグルなの?
産業医は、会社と従業員、どちらの味方だと思いますか?
産業医は会社との契約により設置されるため、従業員の中には会社と産業医が懇意にしているだろうと訝る方もいらっしゃいます。
しかし、産業医は誰かの味方ではなく、会社・従業員双方にとって有効なアドバイスをしてくれる存在です。
会社にとっては、産業医がいることで従業員の健康管理が整備され、安全配慮義務を建設的に遂行する好機となります。
一方、人間であれば誰でも健康不良の可能性は秘めているため、従業員にとってはそのような不安を医学的にフォローしてくれる心強い存在となるでしょう。
産業医は医学を極めた専門職です。会社の味方をするわけではなく、人が健康であり続けるように関わることを使命とします。会社が健康的な労働力を維持できるよう、専門的見地から関わる産業医の役割を、しっかりと理解することが大切ですね。
産業医面談をすすめられた!デメリットはある?
産業医面談は従業員が不安を持つことも多く、次のようなデメリットがあると考えられます。
①面談時間が限られる
産業医面談では、当該従業員の体調や悩みなどを話します。
それに応じて、産業医が不調への対処を助言したり、就労上の課題を見出したりしますが、多くの産業医面談が、20-30分程度です。
一般的なカウンセリングのように1時間ほどの時間をかけることは難しいものです。
②産業医面談の実施事態を秘匿にすることができない
産業医面談の申し出時は、衛生管理者やストレスチェックの実施事務従事者など、特定の方へその意思を伝える必要があります。
会社にすべてを秘匿にすることができませんので、個人情報の取扱いに対して不安を持つ従業員は少なくありません。
③頻回な面談が難しい
外部医療機関の医師は患者が希望したときに会うことができますが、産業医面談の多くは月一度程であり、予約制です。
次回面談までの従業員フォローは、会社が中心となって取り組みます。
産業医と医者との違いは?
最後に、産業医と外部医療機関に属する医者との違いを確認しましょう。
産業医と医者は同じ資格を持つ医師ではあるものの、その職務には次のような違いがあります。
外部医療機関に属する医者(病院や診療所等に所属)
・診察、処方、検査を通して患者の状態を観察し、適切な治療を提供する
・患者と治療契約を行う
・保険診療から収入を得る
・不調となった人の対処を行う
産業医(会社へ派遣される)
・診察、処方、検査は行わず、会話を通して従業員の健康状態を把握する
・会社と契約を行う
・会社より収入を得る
・不調となった人のみならず、不調の予防段階で介入できる
人は人と言葉を交わすだけで気持ちの整理ができたり、新たな考えに出会ったりすることができます。
産業医は、診察等の医療行為は行いませんが、会話を通して従業員の心身の健康管理に臨む存在なのです。
産業医の役割についてはこちらもご参照くださいませ。
ドクタートラスト「産業医とは」
産業医の積極的な活用が会社、従業員のためになる
「産業医は会社の味方なの?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし、産業医は、従業員が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるように適切な指導やアドバイスを行うのが役割です。会社の味方、従事者の味方ということではなく、その役割を十分に理解して、積極的に活用することが大切です。
「さんぽみち」運営元のドクタートラストは、産業医の選任実績数全国一を誇りますので、これまでに深めた知見を最大限に活かし、会社の皆さまに最適な健康経営をご提案してまいります。
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