SNSの炎上は企業のブランドイメージを大きく損ない、社会的な信用の喪失や顧客離れにつながり、企業の運営に深刻なダメージを与えます。
こうした事態を防ぐために企業ができるリスクヘッジについて解説します。
目次
なぜSNSでの内部告発が発生するのか
パワハラ防止法(労働施策総合推進法)によってすべての企業にはハラスメント相談窓口の設置が義務づけられています。
本来ならハラスメントは内部の相談窓口に告発されるべきものです。
しかし、なぜハラスメント相談窓口ではなく、SNS上での内部告発が起こるのでしょうか。
以下の理由が考えられます。
- SNSの発達
- そもそも相談窓口を知らない
- 相談してもなにも変わらなかった
- 社内の相談窓口を信用できない
大きな理由のひとつとして、SNSが発達してネット上への情報発信が容易になったことがあげられます。
また、告発の威力も絶大で、1人の社員の投稿で企業運営にさえも大きな影響を与えられるため、SNSでの内部告発は、企業が対応をせざるをえない状況をつくりだすことが可能です。
一方で、こうした事案では、上層部に相談したにもかかわらず対応をしてもらえなかった場合が多く、単なる「ハードルの低さ」や「有効性の高さ」ではなく、「企業への不信感」がSNSでの内部告発のきっかけになっているといえます。
SNSでの炎上が企業に与える影響
企業内のハラスメントや不祥事がSNSで内部告発され炎上した場合、以下のような影響が考えられます。
- 企業のブランドイメージが失墜
- 企業へのバッシングとその対応
- 顧客離れ
- 上層部が社会的な責任を問われる
炎上によってブランドイメージが失墜した企業は、その回復に非常に長い時間がかかります。
こうした悪いイメージは、顧客だけでなく、求職者からも倦厭される原因になりかねません。
また、SNSの炎上スピードは速く、事実確認を行う時間がないまま対応に追われることになります。
そのため、対応によってはさらにバッシングを受ける事態を引き起こすでしょう。
SNSでの内部告発に備えて企業ができること
SNSでの内部告発を防ぐためには、社内でハラスメント事案が発生した際の初動を間違えないことが重要です。
当たり前ですが、間違っても隠ぺいしようとはしてはいけません。
SNSが発達した現代において、発生したハラスメントを「なかったこと」にするのは不可能です。
ハラスメントの告発については、慎重に、真摯に対応していかなくてはいけません。
ハラスメントの発生防止
まずはなにより、ハラスメントの発生を防止しましょう。
そもそも、ハラスメントが起こらなければ、SNSでの内部告発も起こりません。
経営層へのラインケアやハラスメント講習などを行い、パワハラやセクハラを許さない企業風土を醸成していくことが必要です、
相談窓口の周知
どれだけ対策を行っていても、ハラスメントは起こってしまいます。
もし、ハラスメントが起こってしまったときに、SNSではなく企業の相談窓口を選んでもらえるように、まずはハラスメント相談窓口の存在を周知しましょう。
ポスターなどの掲示物だけでなく、社内研修や説明会などで繰り返し伝えていくのが効果的です。
透明性のある窓口の運営と発信
相談窓口の周知ができたとしても、実際に相談できなければ意味がありません。
ハラスメントの事実を社内に相談することは、相談者にとっても大きなリスクがあります。
被害者が安心して相談できるように透明性をもった相談窓口の運営を行いましょう。
また、相談者の秘密は守られ、不利益な扱いを受けることはないと、全社員に明確に伝えなくてはいけません。
社内の相談窓口だと相談しにくい社員もいるため、外部相談窓口も用意しておくのがおすすめです。
「さんぽみち」の運営元であるドクタートラストでは、外部相談窓口サービスである「アンリ」を提供しています。
アンリでは保健師や精神保健福祉士、公認心理師、保育士などの国家資格取得者が窓口で対応するので、迅速な対応が可能です。
相談後は、本人が匿名を希望している場合は、相談者が特定されないよう配慮しつつ企業に報告します。
また、ただ報告するだけでなく、その対応方法まで医療職がアドバイスするので、的確なフォローの実施が可能です。
SNSについて講習を行う
上記に示した施策以外にも、SNSの使い方について講習を行うなども有効です。
しかし、SNSの禁止や投稿の監視は逆効果なのでやめましょう。
そもそも完全に禁止することやすべての投稿の監視は不可能ですし、逆に社員のプライバシーを侵害しているとして炎上のリスクになってしまいます。
ハラスメントを発生させないことが大切
SNSでの内部告発が発生してしまうと一定の被害は免れません。
また、社員一人ひとりのSNSを制限することは不可能です。
そのため、SNSでの炎上を防ぐためには、ハラスメント自体が起こらないように前述した対策をしっかりと行なっていくことが求められます。
特に、外部相談窓口の設置はハラスメントの未然防止に効果的です。
外部相談窓口「アンリ」がハラスメントを防止した事例
実際に、ドクタートラストが提供する外部相談窓口サービス「アンリ」に相談があった事例を紹介します。
相談事例
セクハラとまでは言い切れないが、男性上司からしつこく言い寄られていた女性からアンリへ相談があった。
アンリからの報告によって、企業が男性に関知されないように動き、男性上司と女性の距離を離すことに成功した。

精神保健福祉士
人との距離の取り方が難しい、客観的にものごとを見られない方は、どの企業にもいらっしゃいます。
良かれと思って口に出したことが、受け取り手によっては、曲がって解釈されることもままあるので、誰しもがハラスメントの被害者・行為者になり得ます。
毎日健康に働いてくれる従業員をどれだけ作るかが、企業の生産性につながってきますし、ハラスメントとメンタルヘルスの問題は非常に密接に関係しています。
各企業が総合的に相談できる窓口を設置できるようになると良いですね。