メンタルヘルス

適応障害で休職を希望する従業員への対応は? 休職期間や給与、復職の手続

適応障害で休職を希望する従業員への対応は?休職期間や給与、復職の手続

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適応障害は、ストレスなどが原因と言われるメンタルヘルス不調の一つです。
適応障害を理由に休職を希望する従業員がいた場合、会社としてどのような対応をすれば良いのでしょうか。
今回は、適応障害による休職について、休職期間や給与を含む従業員への対応や、産業医との関わり方をわかりやすく紹介します。

適応障害とは

適応障害は、最近では耳なじみのあるメンタルヘルス不調となってきましたね。
適応障害は、うつ病と似た症状が見られるものですが、うつ病とは違う疾病です。
適応障害にはきっかけがあり、それが消失すると症状も改善するという特徴があります。

病状のイメージは厚生労働省「こころの耳」を参照ください。

適応障害の原因

適応障害は、生活上で強いストレスになる体験を経ることで症状が現れます。
生活上のストレス体験は、職場や家庭を始め、学校や病気、恋愛、両親との関係、育児、引っ越し、天候、いじめ等、さまざまなところに存在します。
また、ストレスの感じ方は千差万別ですので、同じような体験をしても人によって反応は異なります。
血圧や血糖値のように万人に通じる指標に乏しいことも適応障害の特徴ですね。

適応障害の症状

適応障害になると、気持ちの落ち込みをはじめ、意欲の低下、不安や心配など負の感情を強めます。
そのようなときはこころのパワーダウンが起こっていますので、前向きに物事を考えたり、何かを決断したりすることが難しくなります。
業務において、それまでできていたことが突然できなくなるなどの変化が見られるのは、このためです。

適応障害を治すには

適応障害の治療は、適応障害のきっかけとなった原因を軽減すること、本人のストレス対応力を上げることなどが主流となっています。
前者に関しては、たとえば、仕事の業務量が多いことがストレスの原因だとすれば、会社としても業務量や人員配置を見直すなどの試みが必要となるでしょう。
後者に関しては、精神療法や精神科薬の処方、心理療法などのアプローチが考えられます。
適応障害の治療は、本人だけではなく、家族や会社、友人やパートナーなどの協力を得ることで治療が円滑に進むことも珍しくありません。

適応障害の従業員に対する対応

適応障害は病状の指標がないからこそ、個別の対応が必要となり、会社としてどう対応すべきか人事担当者の頭を悩ませてしまうことでしょう。
そこで続いては、従業員が適応障害を理由に休職するときに必要な基本的対応について確認してみましょう。

産業医面談の実施

休職時に行う産業医面談では、本人の就労に対する希望が病状に即したものであるか、回復までにはどのような関わりが必要であるのかということを検討しますが、一方で、会社の意向や制度、主治医による病状の見立てなども判断材料とします。
本人とのやり取りだけでは得られなかった情報を鑑み、労使のいずれにも偏らないバランスの取れた見立てを得る機会となるでしょう。

休職する場合は休職中の期間や過ごし方を決める

適応障害の休職は、ただ休めば良いというものではありません。
休職することでメンタルヘルス面の休息は取れますが、ストレッサーになるものの軽減ならびに、本人の対応力を上げるための試みなどが欠かせません。
徒に休職期間を延ばさないためにも「●●か月までに〇〇の状態であることが望ましい」など、おおまかな目安は設けていたいものです。
さらに、実家などへ療養の場所を移すこともありますので、会社が侵襲的にならず関われる道を探りたいものです。

休職中の給与や社会保険負担はどうするか

休職者への対応として、メンタルヘルス面で重要なことは、給与や社会保険負担などの規定を休職者が理解できるように伝えることです。
従業員は、思いのほか規則や体制を知らないものですし、休職する際はこころのパワーダウンが起こっているため、一度伝えただけでは理解が得られないこともあります。
不明瞭な情報は、休職者のメンタルヘルス不調を増長する、トラブルのもとになるなどの可能性を含みます。
社労士さんなどの専門職とよく連携することも大切ですね。

適応障害で休職中の従業員が復職する場合の手順

適応障害による症状が緩和したら復職ができると考えている休職者もいるかもしれませんが、休職者の復職については、本人の体力や意向、会社の意向、主治医や産業医の見立てを総合的に判断しながら丁寧に考えていく必要があります。

産業医面談の実施

休職者の復職が可能かどうかを判断するためには、産業医面談を行うことが望ましいでしょう。
主治医は病状の回復具合を精査しますが、産業医はそれに加え、病状の程度が業務の負荷に耐えうるものかということに目を向けます。
仕事というものは心理的、身体的な負荷が強いものです。日常的に買い物や友人との交流に臨むことができても、職場における緊張や責任などに耐えることができないことも珍しくありません。
本人の体調が業務負荷に耐えうるものであるかということを検討するのが、産業医面談です。

復職後の就業条件や仕事内容を検討する

適応障害で休職した従業員が復職する場合、会社としては、とりあえず復職させるという姿勢ではなく、計画的に復職前後の流れを作らなければ、円滑な復職は望めません。
そのためには、復職の際にどの程度の業務負荷にするのか、勤務時間を何時間から開始するのかなど、個々に応じた調整が必要です。
皆さんもまとまった休日のあとは調子を取り戻すまでに一定の時間が必要ですよね。
適応障害で休職した従業員ならなおさら元の調子づくりには難渋することもありますので、無理の無いスタートが切れるよう計画的な関わりを心掛けましょう

まとめ

適応障害は珍しい疾病ではありません。誰にでも起こりうることですので、適応障害を理由に休職を申し出る従業員があらわれた場合は、産業医としっかりと連携することが望ましいものです。
また、「さんぽみち」を運営しているドクタートラストの休職者支援サービス「アンリケア」では、休職者に寄り添いながら、復職までの円滑な流れづくりをメンタルヘルスの専門職がお手伝いします。
産業医面談ではカバーできない面にアプローチしますので、お気兼ねなくご相談くださいませ。

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この記事を書いた人

精神保健福祉士 八島

精神保健福祉士 八島

精神保健福祉士として精神科医療や障害者福祉に携わり、たくさんの医師や看護師、諸先輩方から臨床を教わってきました。