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【精神保健福祉士が執筆】メンタルヘルス相談は誰にするべき?相談窓口の種類

メンタルヘルス相談は誰にするべき?相談窓口の種類

この記事は7分で読めます

なんとなく気分が落ち込んだり、ストレスや不安などのメンタルヘルス不調を感じたときは、一人で悩まずだれかに相談することが大切です。
また、社内にメンタルヘルスの相談窓口を設置したり、産業医を活用することは、従業員のメンタルヘルス不調の早期発見につながります。

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この記事では、会社で検討すべきメンタルヘルス相談窓口の種類ややり方について紹介していきます。

メンタルヘルス相談は誰にするべき?

メンタルヘルスの問題に関して日本人は我慢してしまう傾向がありますが、早めの相談によって問題が深刻化することを防げます。
しかし、ストレスや不安、悩みなど、何らかのメンタルヘルス不調を感じたとしても、誰に相談するべきかわからないという人がほとんどではないでしょうか。
メンタルヘルス相談を気軽にできる環境を社内に設けることは、従業員のメンタルヘルス不調にいち早く気づき、対策をしてくために有効な手段と言えます。
社内のメンタルヘルス相談窓口としては次のような種類があります。
それぞれのメリット・デメリットを考えながら、自社に合った対策をとるようにしましょう。

職場の同僚や上司

従業員の最も身近なメンタルヘルス相談窓口となるのが、職場の同僚や上司です。
毎日一緒に仕事をしているため相談のハードルが低く、ちょっとした悩みやストレスについては比較的身構えることなく相談することができるのではないでしょうか。
しかし、同僚や上司はメンタルヘルスに関する専門性には乏しいものです。
悩みの程度によっては一緒に抱え込んでしまう、具体的な解決が得られないなどの状況が起こりえるため、専門的なメンタルヘルス相談窓口は別途設けることが望ましいと言えるでしょう。

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社内の相談窓口

自社の従業員が相談員となり、社内にメンタルヘルス相談窓口を設置するのも良いでしょう。
相談員が勝手知ったる自社の従業員であることから、業務上の相談であれば相談者・相談員双方の状況を共有しやすく、理解しやすい環境があります。
一方で、社内対応であるがゆえに、相談したという事実が社内に知られてしまうのではないか、内容が誰かに洩れてしまうのではないかという不安が生まれやすいものです。
そのため、従業員が相談自体を敬遠することも珍しくありません。

外部の相談窓口

従業員が人に知られたくない悩みや不安を抱えている場合、社内のメンタルヘルス相談窓口には相談しづらいと感じることもあるでしょう。
そんなときは、弊社の外部相談窓口「アンリ」のように、社外の相談窓口の設置が有効です。
外部の相談窓口の場合、社外に設置されていることから、従業員が比較的抵抗を持たずに利用することができます。企業と外部機関が契約をするため従業員の経済的な負担はなく、気軽に専門的な相談に臨むことができます。
ただし、外部機関を利用する場合、内容の秘匿性が高いことから従業員からの相談内容を社内で詳らかに把握することは難しくなります。

産業医

産業医は、従業員が最も身近に関わることのできる医師のことで、企業内で、気兼ねなく医師による専門的な助言を受けることができます。
もちろん従業員の経済的負担もないため、仕事の悩みやストレスなどのメンタルヘルス不調についても、気軽に相談しやすいというメリットがあります。
ただし、相談相手が産業医であっても「社内の誰かに情報が洩れるのでは?」と心配する従業員は多いものです。
特に、産業医面談を希望する場合は企業内の担当者に面談申し出が必要となるため、情報の秘匿性を危惧する従業員の場合は利用を敬遠してしまうこともあるでしょう。
会社としては、従業員が産業医に対して気軽に相談しやすい環境をつくることが求められます。

メンタルヘルス相談のやり方にはどんなものがある?

従業員が利用しやすいメンタルヘルス相談窓口を設置したら、次はやり方についても検討しておきましょう。
メンタルヘルス相談の手段は対面だけではなく、様々な方法があります。
そこで続いては、メンタルヘルス相談のやり方について、一つひとつ確認していきましょう。

メールで相談する

メールは世代問わず使うことのできるコミュニケーションツールの一つで、メンタルヘルス相談でも、相談者が時間を問わず相談内容を入力して送信することができるというメリットがあります。
本人が「話したい」と思った際に想いをしたため、その瞬間の心情を率直にまとめることができるため、自分の気持ちをメールにまとめるという行為自体がストレス解消につながることも珍しくありません。
一方で、メールは一方通行のコミュニケーションツールのため、内容の把握が読み手の読解力に委ねられます。
相談者・相談員ともに、自身の意図とは異なる解釈を相手がしてしまう恐れがある点には注意が必要です。

電話で相談する

現代は、一人一台以上のスマートフォンまたは携帯電話を所有しているため、電話でのメンタルヘルス相談を受け付けるのもおすすめです。
電話相談の場合、会話を通して、リアルタイムで悩みへのディスカッションができます。
先のメールとは異なり、理解の齟齬があればその場で訂正できますし、声の様子からメンタルヘルスの状態を推し量ることもできるのもメリットです。
一方で、電話相談の場合は一人あたりの相談対応にかかる時間が長くなりがちなため、相談時間を設定して時間内に話を終えるなどの工夫が必要です。
ただし、相談時間に制限を設けてしまうと、特に相談者の緊張が強い場合は十分意思を伝えられずに終わる可能性も考えられます。

面談で相談する

産業医面談でメンタルヘルス相談をする場合は、対面での面談が主流です。
対面によるメンタルヘルス相談は、相手の表情や仕草、雰囲気など電話以上に得られる情報が多いため、相談者・相談員ともに互いを理解しやすいというメリットがあります。
ただし、相談員が医療関係者である際、白衣などの服装や立ち居振る舞いから相談者が圧迫感を覚えることもあります。
加えて、面談の場所まで出向くという工程も必要ですから、相談者が移動するための負荷も発生します。

オンラインで相談する

コロナ禍となったことで、メンタルヘルス相談のオンライン対応も充実するようになりました。
オンラインでのメンタルヘルス相談を受け付けることで、相談者は移動の負担なく、対面と酷似した状況で相手の顔を見ながら話すことができます。
出社せずに自宅からでも利用できるというのは、相談者にとって大きなメリットとなるでしょう。
一方で、オンライン相談の場合はインターネット回戦の不具合が起こることもあり、それにより相談に集中できないことが珍しくありません。
画質や姿勢によっては表情などの把握が難しいこともあるため、オンライン相談に慣れた相談員に依頼する必要があるでしょう。

メンタルヘルス相談はどんなときにするべき?

メンタルヘルス相談窓口を設置し、対面やオンラインなどの相談方法を決めたら、従業員に対してしっかりと周知していきましょう。
その際、メンタルヘルス相談はどんなときにするべきか、起こり得るケースについて例をあげて説明することで、早めの相談を促すことが大切です。

気持ちがふさぐ、やる気が起こらないなど、気持ちの変化を感じる

ストレスは、メンタルヘルスの問題を考える際に大きなテーマとなるものです。
人がストレスを抱えると次のような気持ちの変化が見られるようになります。

・ 気持ちがふさぐ
・ やる気が減退する
・ 物事を楽しめない
・ 悲しい気持ちになったり涙が出たりする
・ 何事も億劫に感じる
・ 決断ができない など

これらのような変化が見られた際は、速やかにメンタルヘルス相談を行うことが好ましいでしょう。

眠れない、食欲がないなどの体調変化を感じる

メンタルヘルス不調により、次のような身体的変化を感じることがあります。

・ 睡眠が上手く取れない
・ 満足に食べることができない
・ 体重が減る、増える など

生命を維持するための睡眠や食事が十分取れないなど、自分自身が体調の変化を感じたときはもちろん、肌の艶を失う、目の下にクマを作るなど、周りの人が見ても気づく身体的変化が見られることもあります。

そのような際は、メンタルヘルス相談を進める契機であると、従業員へしっかり周知していきましょう。

業務のパフォーマンスが著しく低下した

メンタルヘルス不調をきたすと、次のような能力の低下が起こります。

・ 業務が納期に間に合わない
・ 失敗が増える
・ 集中力が欠ける
・ レスポンスが遅い など

業務におけるパフォーマンスが著しく低下するということも、メンタルヘルス相談を検討する目安です。
このような変化は本人に自覚が乏しいこともありますので、周囲の方の声掛けで対処できると理想的です。

上司や同僚、家族や友人などとの関わりが思うようにならず、気苦労が絶えない

メンタルヘルス不調は本人の問題のみで起こるものではありません。
上司や同僚、家族や友人など、自分以外の誰かの問題に悩みを募らせることで、自分自身のメンタルヘルスに不調をきたしてしまうことがあります。
自分自身がこのような悩みを抱えているときはもちろん、同僚からそのような相談を受けた場合にも、まずは本人の話すことにしっかりと耳を傾けることを心がけましょう。
その上でメンタルヘルス相談窓口の利用を促し、専門職へ引きつぐことができると深刻化を防ぐことにつながります。

会社に行くことがつらく、前向きにとらえることができない

メンタルヘルス不調は、具体的な要因なく起こることもあります。
なんとなく具合が悪い、なぜかわからないが仕事に行きたくないなど、理由の分からない活動量低下につながるため、遅刻や早退が徐々に増える、「会社に行きたくない」などの発言が見られるようになります。
自分自身にそのような変化が見られた際は、「怠けている」と自分を責めるのではなく、何らかの不調を疑ってみることを従業員に促していきましょう。
また、上司や部下、同僚にそのような兆候が見られた場合は、メンタルヘルス相談をすすめてみるのも良いでしょう。

まとめ

メンタルヘルス相談は身体的なそれより軽視される傾向があるかもしれませんが、身体疾患と同様に早期発見・早期介入により速やかな解決が望めるものです。
対応には専門性も求められますので、企業内で抱え込まず、積極的に専門意見を取り入れたいものですね。

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