メンタルヘルス

ストレスチェックはメンタルヘルス対策に効果がある?

ストレスチェックはメンタルヘルス対策に効果がある?

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メンタルヘルス対策を考えるにあたり、ストレスチェックの実施は意味がない、効果がないと感じることはありませんか。
この記事では、企業のメンタルヘルス対策においてストレスチェックは有効なのか、ストレスチェックの効果や活用方法について考えてみましょう。

ストレスチェックとは?

ストレスチェックとはどのような制度なのでしょうか。
まずはストレスチェック制度について、その内容を改めて見直してみましょう。

ストレスチェックとは

ストレスチェックは、従業員のメンタルヘルス状態を測るために2015年に開始された全国一元的な検査です。
従業員が50名以上の企業に義務化されており、57問版と80問版の2種があります。
前者は従業員個々のメンタルヘルスを確認するための項目をそろえ、後者はそれに加え職場風土を確認することができる構成になっています
従業員のストレス状態や、職場環境の課題を確認することがねらいです。

ストレスチェック義務化の背景

メンタルヘルス不調者やそれによる休職者、自殺者の増加が問題視されるようになって久しいですよね。
精神障害の労災認定件数も上昇を続けています。
ストレスチェックは、このような社会的背景を鑑み、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐ一次予防のために設けられました。
一次予防とは、メンタルヘルス不調となる予兆を察知し、深刻化する前に対処する取り組みのことです。健康な人たちを含め、広く検査の意義があるということです。

ストレスチェックはメンタルヘルス対策に有効?

ストレスチェックを行うことで、従業員のメンタルヘルス状態や職場環境の課題を数値的に把握することができ、多くの人が等しく理解できる利点があります。
ここからは、ストレスチェックがメンタルヘルス対策に有効な点を考えてみましょう。

メンタルヘルス不調を未然に防ぐことができる

ストレスチェックで問題のあった方は「高ストレス者」と判定されます。
これは健康診断における「要検査」と同義ですね。
高ストレス者の段階では、まだ病気ではありません。
しかし、何らかのメンタルヘルス不調が見られるようになっている、または予見ができる段階ですので、早めの介入により深刻化を防ぐことができます。
メンタルヘルスは目に見えないものですので、ストレスチェックの視覚化は不調の気づきに有効です。

集団分析結果が職場環境の改善につながる

ストレスチェックは57問版と80問版の2種があることを述べました。
前者は従業員個々のストレス状態を見出すことに留まりますが、後者を実施すると職場を一つの個として観察し、業務量や人間関係、ハラスメントなど何らかの問題を俯瞰的に観察する助けとなります。
職場の課題が見いだされることで改善のポイントが把握できますよね。
その点に重点的に対応することは、理想的な職場環境を作り上げる好機となります。

メンタルヘルスケアに対する従業員の意識が高まる

ストレスチェックは、自身のメンタルヘルスを見つめる契機となります。
身体の健康診断と同様に結果を例年比較することで、自身のメンタルヘルス状態の変化を数値的に把握することが可能です。
メンタルヘルスケアを自ら行うことで、不調に至る前に予防できるようになります。

産業医との連携を取る機会となる

ストレスチェックにおいて高ストレス者と判定されると、産業医との面談が推奨されます。
産業医は、企業と従業員の中間に立ち、業務背景を鑑みて従業員の健康状態を観察する医師です。
平素は接点をもちにくいものですが、ストレスチェックにおいて高ストレス者というアラートが出た際は積極的に利用し、専門的な助言を受けることがおすすめです。
ときには企業と従業員双方にとってバランスの取れた意見が得られることもあるでしょう。

ストレスチェックは意味がない?メンタルヘルス対策に活かす方法

ストレスチェックは意味が無いと感じるときは、的確にストレスチェックを活用できていないのかもしれません。
続いては、ストレスチェックをメンタルヘルス対策に効果的に活用する方法を考えてみましょう。

管理職研修を実施

ストレスチェックの結果が悪いことや、職場環境に課題が見つかることなどに憤りを募らせることもあるかもしれませんが、ストレスチェックは「良い」「悪い」の結果を得るためのツールではありません。
正確な理解が無いことで、管理監督者がストレスチェックに対して消極的になることも珍しくないため、組織として管理監督者へストレスチェックの意義を伝え、正しく運用するための素地を作り上げることが理想的ですね。

安全衛生教育の実施

ストレスチェックの意義を受検する従業員が理解していなければ、受検をおろそかにしてしまうこともあるでしょう。
そのため、ストレスチェックを効果的に運用するためには従業員の理解も欠かせないものです。
ストレスチェックを行う理由、目的など、研修や社内外セミナーの他、動画や掲示物などで従業員に周知することで安全衛生教育を充実させることは、従業員の意識を高める助けとなるでしょう。

従業員にセルフケアを促す

ストレスチェックの結果を自分なりに管理することは、セルフケアにつながります。
例年の結果を比較することで自身の状態も把握できるようになるでしょう。
メンタルヘルスケアを軽視してしまう従業員は少なくないため、イントラネットや社内研修などで個々のセルフケアの意識を高めることが有効です。
従業員一人ひとりが自身のメンタルヘルスケアに心掛けることで、小さな異変を見つけ改善することができます。

産業医との連携を強化する

産業医は組織内で唯一、医学的な見解から企業・従業員双方に有益となる助言を行うことができる立場にあるため、メンタルヘルス対策にはしっかりと活用することが大切です。
産業医との連携が希薄な際は、まずはストレスチェック受検後の連携から始めてみるのはいかがでしょうか。

80問版ストレスチェックで職場環境改善に臨む

ストレスチェックは、従業員個々のメンタルヘルス状態を図るだけではなく、職場環境の課題を発見するツールでもあります。
職場環境を一つの個として観察し、それが持つ課題や改善点を見つけることができるのが、80問版ストレスチェックです。
義務として行うのであれば、せっかくですから80問版を行い職場環境改善に挑戦してみることも有意義かもしれません。
将来的なリスクに対する先行投資と考えることができるでしょう。

まとめ

企業のメンタルヘルス対策としてストレスチェックを最大限に活用するためには、少しの工夫と確かな知識が必要です。
「さんぽみち」運営元のドクタートラストでは、産業医の派遣や外部相談窓口をストレスチェックに付随してご提案することが可能です。
管理監督者や従業員に向けたセミナーも充実しておりますので、お気兼ねなくお問い合わせください。

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この記事を書いた人

精神保健福祉士 八島

精神保健福祉士 八島

精神保健福祉士として精神科医療や障害者福祉に携わり、たくさんの医師や看護師、諸先輩方から臨床を教わってきました。