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働き方・産業保健

50人未満の小規模事業場でもストレスチェックの義務化を検討か?いつから施行?

2024年11月1日に厚生労働省「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」から、中間とりまとめが公表されました。中間とりまとめには、今まで50人以上の事業場とされてきたストレスチェック実施の義務を、すべての事業場へ拡大する方針が盛り込まれており、社会全体としてメンタルヘルス対策に取り組む事業場を増やす狙いです。

この記事では、中間とりまとめのうち、小規模事業がの方が気になるポイント(ストレスチェックの義務拡大の背景や影響)、および義務化拡大時期、実施方法などをわかりやすく解説します。

→50人未満の小規模事業場にも対応したストレスチェックはこちら

ストレスチェック義務拡大が検討されている背景

50人未満の小事業場でもストレスチェックの義務化が検討されている背景には、精神障害の労災決定件数の増加があります。
厚生労働省が公開した「過労死等の労災補償状況」によると、2023年度の精神障害の労災決定件数は883件と過去最多を記録しており、労働者のメンタルヘルス対策の徹底が喫緊の課題となっています。

また、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場も、30~49人の事業場で71.8%、10~29人では56.6%と、小規模事業場においては全体的に取り組みが少ない現状や、外部機関の充実によって規模にかかわらずプライバシーの保護が図れるようになった点が義務拡大の理由として挙げられます。

50人未満の小事業場でストレスチェック義務化の目的は

50人未満の小事業場でのストレスチェック義務化には、社会全体としてメンタルヘルス不調の防止を推し進めていきたい思惑があります。
2023年6月に総務省・経済産業省が公表した「令和3年経済センサス‐活動調査 産業横断的集計(事業所に関する集計・企業等に関する集計)」によると、全事業場の95.9%が小規模事業場であり、50人未満の事業場で働く人は全体の半数以上にのぼります。
そのため、50人未満の事業場でのストレスチェックを義務化することで、より広い範囲にメンタルへルスケアの拡大が可能です。

50人未満の事業場でのストレスチェック実施状況

ストレスチェックを実施している事業場は、50人以上の事業場で84.7%、50人未満で32.3%にとどまります。
というのも現時点で、ストレスチェックの実施は50人以上の事業場には義務づけられているのに対して、50人未満の小規模事業場では努力義務とされているためです。

ストレスチェック制度は、事業者によるメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)の取組を強化する観点から、平成26年の労働安全衛生法の改正により創設されたが、附則において、産業医の選任義務のない50人未満の事業場については、ストレスチェックの実施が当分の間努力義務とされている。

引用:ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ


第14次労働災害防止計画では、「労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェック実施の割合を2027年(令和9年)までに50%以上とする」としており、未だ目標には届いていません。
小規模事業場でストレスチェックの実施が広がらない理由として、実施コストや実施体制の脆弱さ、面接指導後の対応の難しさなどが挙げられており、今後、こうした課題の解決に向けた検討が重ねられます。

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また、50人未満の小規模事業場へもストレスチェックの実施が義務づけられても、労働基準監督署への報告は負担軽減の観点から義務づけない方針です。

ストレスチェックの実施結果の監督署への報告義務は、一般健診と同様に、50 人未満の事業場については、負担軽減の観点から課さないことが適当である。

引用:ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ

全事業場ストレスチェック義務化の影響

小規模事業場でストレスチェックが義務化されるメリット

全事業場においてストレスチェックが義務化されることで、セルフケアの推進やメンタルヘルス不調の早期発見・早期治療、離職率の低下などの好影響が期待できます。
多くの人が誤解していますが、ストレスチェックの第一目的は自身のストレスへの気づきを促し、セルフケアにつなげることです。
そのため、まずはストレスチェックを実施することに大きな意味があります。
また、労働力不足が懸念される現代において、離職率の低下は無視できない効果なのではないでしょうか。

小規模事業場でストレスチェックが義務化された際の懸念

一方で、企業側へのデメリットもあります。

現行のストレスチェック制度は50人以上の事業場で実施されることを想定しており、産業医の選任義務がなく、健康管理体制が整っていない小規模事業場が同じように実施するのは困難です。
特に、プライバシーの保護などについては適切な管理が難しく、企業体制の強化や外部機関の利用が必要になるでしょう。

50人未満の事業場のストレスチェック義務化はいつから?

50人未満の事業場におけるストレスチェック義務化の時期については、中間とりまとめ内で以下のように「十分な準備期間の設定を行うこと」としています。

これらの支援体制の整備、支援を含めた制度の周知、その上での50人未満の事業場における実施体制の整備に要する期間を確保するため、十分な準備期間の設定を行うことが適当である。

引用:ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ

現時点では義務化のタイミングは明らかではありませんが、法案の検討と国会での審議を経て改正労働安全衛生法が施行された後、さらに数年の準備期間が設けられる見通しです。
しかし、50人未満の事業場のストレスチェック義務化は決定的であり、今から準備を整えていく必要があるでしょう。

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ストレスチェックの外部委託が推奨されている

中間とりまとめ内では50人未満の事業場に関してはストレスチェックを外部委託することが推奨されています。

50 人未満の事業場においては、産業医がおらず適切な情報管理等が困難な場合もあるので、原則として、ストレスチェックの実施は労働者のプライバシー保護の観点から外部委託することが推奨される。

引用:ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ

「さんぽみち」提供元であるドクタートラストは、50人未満の事業場に対してもリーズナブルな料金でストレスチェックサービスを提供しています。
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また、企業の規模によって柔軟に料金設定やストレスチェックの実施方法なども相談可能なので、まずはお気軽にお見積りください。

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<参考>
厚生労働省「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ」
厚生労働省「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」
厚生労働省「令和5年 精神障害に関する事案の労災補償状況」
厚生労働省「第 14 次労働災害防止計画」
総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 産業横断的集計(事業所に関する集計・企業等に関する集計)」