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産業医

産業医面談とは?義務や内容、話すべきことを解説

産業医面談とは?面談は義務なの?何を話すべき?

この記事は4分で読めます

産業医とは、医学的な立場から労働者の健康保持増進や職場環境の改善などについて助言する医師のことで、従業員数50名以上の事業場では選任が義務づけられており、長時間労働、高ストレス者など、さまざまな場面で「産業医面談」を実施します。

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産業医面談では、従業員が心身の不調や仕事上の不安、長時間労働などについて相談できます。会社側は産業医面談をもとに、復職判断や就業上の措置を検討します。
この記事では、産業医面談の目的や実施される場面、何を話すべきかについて、パターン別に詳しく解説します。

産業医面談とは?実施は義務?

産業医面談の定義と目的

産業医面談とは、産業医と従業員が1対1で行う面談のことです。
産業医は、従業員50名以上の事業場で選任が義務づけられています。
産業医の業務は、衛生委員会への出席、衛生教育、職場巡視など多岐にわたり、そのうち重要な業務として「産業医面談」があります。

産業医面談では、産業医と対象となる従業員が1対1で面談を行います。
たとえば過重労働の従業員、あるいはメンタルヘルスに不安のある従業員などに対してアドバイスをするとともに、場合によっては会社側に就業措置などの対応を提案することもあります。
会社側には過重従業員などへの産業医面談を実施する義務があります。

産業医面談が行われるのはどんな時?

産業医面談は、独立した業務というよりは、さまざまな産業医業務のなかに組み込まれているもので、実施される場面としては主に以下のものがあります。

場面 詳細
健康診断後 異常所見があったとき
ストレスチェック後 高ストレスと判定されたとき
休職判定時 休職すべきかどうか判定するとき
復職判定時 休職者が復職してもよいか判定するとき
長時間労働時 月80時間超の残業をしたとき
従業員希望時 従業員が自ら面談を希望したとき

産業医面談は拒否できる?強制力はある?

従業員に面談を受ける義務はない

前述のとおり、産業医面談を受けさせるのは事業者の義務である一方、従業員側には産業医面談を受ける義務はありません。
そのため以下を理由として、産業医面談を拒否する従業員が少なくありません。

・ 忙しくて、面談を受けている暇がない
・ 産業医面談を受けることによって人事評価に悪影響を及ぼすのではないか
・ 面談内容が上司に筒抜けとなるのではないか

会社側が従業員に伝えるべきこと

会社側としては、従業員の健康のために、また安全配慮義務を履行するうえでも、ぜひとも面談を受けてほしいところです。
産業医面談を拒否する従業員の中には、産業医面談がなんのために行われるかを知らない方も多いため、以下の点をきちんと伝えましょう。

<従業員に伝えるべきポイント>
・ 「本人のため」であること
・ 法律で定められていること
・ 人事評価には影響を及ぼさないこと
・ 本人の同意なく面談内容が会社側に知られることはないこと

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産業医面談では何を話すべき?【場面別解説】

従業員の健康のためにも、産業医面談は欠かせません。
ですが、産業医面談だと言われても、いったい何を話すのかわからないという方も多いでしょう。
産業医面談では、基本的に、仕事の状況のほか、睡眠などの健康状態を話すことになります。
以下では、場面別に、どういった従業員が産業医面談の対象になるか、などをご説明します。

ストレスチェックで「高ストレス」だった場合の産業医面談

ストレスチェックで「高ストレス」と判定され、なおかつ従業員から希望があった場合には、産業医面談が実施されます。
高ストレス者とは、自覚症状が高い者や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い人のことを指します。
面談においては、実際の仕事の状況などを率直に話しましょう。
産業医は、面談内容などをもとに就業上の措置の必要性の有無などを会社側に意見します。
詳しくは、以下の記事も参照ください。

ストレスチェックにおける産業医の役割とは?産業医面談では何を話す?

長時間従業員の産業医面談

時間外や休日の労働時間(残業時間)が1ヶ月あたり80時間を超えており、なおかつ疲労の蓄積が認められる従業員について、本人からの申出があった場合に、産業医面談が実施されます。
長時間労働は仕事の負荷を大きくするだけでなく、睡眠・休養の機会を減少させることにもつながります。
公私の状況をしっかり伝えましょう。

休職・復職時の産業医面談

メンタルヘルス疾患から休職を申し出た従業員については産業医面談を行います。
休職期間にも産業医面談を行い、職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランを作成することになります。
治療状況や病状の評価を行うためには、主治医から診断書の内容以外の情報収集が必要となることもあり、産業医と主治医の連携が重要です。
なお、復職が可能であるかどうか、最終的な可否判断は事業者が決定します。

自分から産業医面談を希望した場合

産業医面談は、従業員が自ら「受けたい」と申し出ることも可能です。
たとえば、健康面やメンタル面で不安があるとき、健康診断結果にわからないところがあるときなど、何かしら「相談事」があるときは、活用してみましょう。

産業医面談の内容は上司に知られる?

面談内容は守秘義務で保護されている

産業医面談で話した内容が上司に筒抜けとなることはないので安心してください。
たとえば、上司からのパワハラなどについて産業医面談で話しても、直接上司本人にそのまま報告されることはありません。

どんな時に会社側に報告される?

緊急性が高い場合や、就業上の措置が求められるよう場合に限り、必要な内容だけ会社側に報告されます。
ただし、そのような場合は事前に説明があります。
また、面談内容によって不利益な取り扱いを受けることはありません。
会社側では、産業医からの報告をもとにして、配置転換や、残業時間削減に向けた検討を行うなど、「従業員のため」に動いてくれます。
ご自身の身を守るためにも、産業医面談ではつまびらかに自身の状況を話しましょう。

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産業医面談に関する会社側の注意点

従業員によっては、産業医面談を受けることによって評価などに響くのでは?話した内容が会社にバレるのでは?といった不安から、面談を拒否することも考えられます。

従業員が面談を受けやすい環境づくり

会社側は、産業医面談が「従業員のため」であることを丁寧に説明するほか、「産業医とはどんな人なのか。産業医面談では何をするのか」を社内に掲示するなどして、産業医面談が受けやすい環境づくりに努めましょう。
また、面接指導を踏まえた就業上の措置に関する医師の意見は、必要な情報に限定すれば本人の同意がなくても事業者に伝えることができますが、従業員の不安を取り除くためにも、「会社に伝えるときは、事前に本人の了解を得る」よう、産業医側にも依頼するとともに、その旨を社内周知しましょう。

まとめ

今回は、産業医面談についてわかりやすく解説しました。
企業側に実施が義務付けられている産業医面談は、従業員の心身の健康を目的に行うものです。企業側では、従業員が産業医面談を受けやすい体制を整えましょう。
「さんぽみち」を運営するドクタートラストでは、実務経験豊かな産業医のなかから、事業場に合った方をご紹介しています。
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よくある質問(Q&A)

Q1. 産業医面談とは何ですか?

産業医面談とは、産業医と従業員が1対1で行う面談のことです。過重労働やメンタルヘルス不調のある従業員に対してアドバイスをするとともに、必要に応じて会社側に就業上の措置を提案します。従業員50名以上の事業場では産業医の選任が義務づけられており、過重労働者などへの面談実施も会社の義務です。

Q2. 産業医面談はどんな時に実施されますか?

産業医面談は主に以下の場面で実施されます。

・ 健康診断で異常所見があったとき
・ ストレスチェックで高ストレスと判定されたとき
・ 休職の判定をするとき
・ 復職の可否を判定するとき
・ 長時間労働をしたとき(月80時間超の残業など)
・ 従業員が自ら希望したとき

Q3. 産業医面談は拒否できますか?

従業員側に産業医面談を受ける法的義務はないため、拒否することは可能です。ただし、会社側には面談を実施する義務があります。
面談を拒否する理由として「人事評価への影響」や「上司への情報漏れ」を懸念する方が多いですが、産業医面談は従業員の健康のために行われるものであり、評価には影響せず、本人の同意なく面談内容が会社に伝わることはありません。

Q4. 産業医面談では何を話せばいいですか?

産業医面談では、仕事の状況のほか、睡眠などの健康状態について話します。具体的には以下のような内容です。

・ 労働時間や業務内容
・ 心身の不調
・ 職場での悩み
・ 生活リズム

率直に自身の状況を伝えることで、産業医が適切なアドバイスや就業上の措置を提案できます。面談内容は守秘義務で保護されているため、安心して相談できます。

Q5. ストレスチェック後の産業医面談について教えてください

ストレスチェックで「高ストレス」と判定され、従業員から希望があった場合に産業医面談が実施されます。
高ストレス者とは、自覚症状が高い人や、自覚症状が一定程度ありストレス原因や周囲のサポートが著しく悪い人を指します。面談では実際の仕事の状況を率直に話し、産業医が就業上の措置の必要性を会社側に意見します。

Q6. 長時間労働での産業医面談はどのような場合に行われますか?

時間外や休日の労働時間が月80時間を超えており、疲労の蓄積が認められる従業員について、本人から申出があった場合に産業医面談が実施されます。
長時間労働は仕事の負荷を大きくするだけでなく、睡眠・休養の機会を減少させるため、公私の状況をしっかり伝えることが重要です。

Q7. 休職・復職時の産業医面談では何を確認しますか?

メンタルヘルス疾患から休職を申し出た従業員については産業医面談を行い、休職期間中も面談を実施して職場復帰の可否判断および職場復帰支援プランを作成します。
治療状況や病状の評価のため、主治医からの情報収集が必要になることもあり、産業医と主治医の連携が重要です。最終的な復職可否の判断は事業者が決定します。

Q8. 産業医面談は自分から希望できますか?

はい、従業員が自ら「受けたい」と申し出ることも可能です。
健康面やメンタル面で不安があるとき、健康診断結果にわからないところがあるときなど、相談事があるときは積極的に活用しましょう。産業医は従業員の健康をサポートする立場なので、遠慮せず相談できます。

Q9. 産業医面談の内容は上司に知られますか?

産業医面談で話した内容が上司に筒抜けとなることはありません。たとえば上司からのパワハラについて話しても、直接上司本人に報告されることはありません。
緊急性が高い場合や就業上の措置が必要な場合に限り、必要な内容だけ会社側に報告されますが、その場合は事前に説明があります。面談内容によって不利益な取り扱いを受けることもありません。

Q10. 会社側が産業医面談で注意すべき点は何ですか?

従業員が産業医面談を受けやすい環境づくりが重要です。具体的には以下の対応が必要です。

・ 面談が「従業員のため」であることを丁寧に説明する
・ 産業医とはどんな人か、何をするのかを社内に掲示する
・ 会社に伝える際は事前に本人の了解を得るよう産業医に依頼し、その旨を周知する

従業員の不安を取り除くことで、面談の実効性が高まります。

関連リンク

・ 産業医について(厚生労働省)
・ 産業医(wikipedia)