メンタルヘルス

ストレスチェックの集団分析とは?集計・評価方法や活用のしかた

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労働者50名以上の事業場で実施が義務づけられているストレスチェックでは、ストレスチェックの集団分析、および職場環境改善が努力義務として定められています。
今回は、ストレスチェックの集団分析とは何か、集団分析の評価方法やストレスチェックの集団分析結果を職場環境改善に活用する方法について、わかりやすく解説します。

ストレスチェックの集団分析とは

ストレスチェックの集団分析とは、ストレスチェックの個人結果を、年代や性別、部署といった一定規模のまとまりの集団ごとにさまざまな観点から分析し、職場におけるストレス要因を評価し、職場環境の改善につなげることを指します。
ストレスチェックは、常時雇用する労働者が50名以上の事業場で実施が義務付けられています。一方、ストレスチェックの集団分析は、現在のところ労働安全規則52条の14で努力義務と定められています。
しかしながら、ストレスチェック制度の目的である職場環境の改善を果たすうえでも、ストレスチェックの集団分析は実施することが望ましいです。

<検査結果の集団ごとの分析等>
第52条の14 事業者は、検査を行った場合は、当該検査を行った医師等に、当該検査の結果を当該事業場の当該部署に所属する労働者の集団その他の一定規模の集団ごとに集計させ、その結果について分析させるよう努めなければならない。
2 事業者は、前項の分析の結果を勘案し、その必要があると認めるときは、当該集団の労働者の実情を考慮して、当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
(出所:労働安全衛生規則)

また、ストレスチェックの集団分析は、集計・分析を行う集団が10人を下回る場合は、個人が特定されるおそれがあるので、原則的には10人以上の集団ごとに実施しましょう。

ストレスチェックの集団分析のメリット

ストレスチェック制度における集団分析の目的は、職場ごとのストレス状況を把握し、職場環境の改善に活かすことにあります。
ストレスチェックの集団分析結果に基づいて職場環境改善を行うことによって、仕事のストレス要因や健康状態が改善したり、生産性が向上したりすることがさまざまな研究によって明らかとなっています。
ストレスチェック制度における職場環境改善の実施は、労働者のメンタルヘルスの改善と生産性の向上の両方に効果が期待できる活動といえます。
効果的なストレス対策を行うためには、個人結果に基づいた産業医面談などのハイリスク者への個別の対策(ハイリスクアプローチ)だけではなく、集団結果に基づいた職場環境改善のように組織的なストレス対策(ポピュレーションアプローチ)を組み合わせて行うことが必要です。

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ストレスチェックの集団分析の集計・評価方法

ストレスチェックの集団分析の集計・評価方法は、使用する調査票(ストレスチェック項目)によって異なりますが、国が標準的な項目として示している57項目の「職業性ストレス簡易調査票」や23項目の簡略版を使用する場合は、「職業性ストレス調査票」とともに公開されている「仕事のストレス判定図」を使うことが適当とされています。
「仕事のストレス判定図」は、集団を対象とした仕事のストレス要因の程度と、これらが労働者の健康に与える影響の大きさを評価する方法で、仕事の量的負担と仕事のコントロールを要因としてプロットされる「量―コントロール判定図」と上司、同僚の支援から作成される「職場の支援判定図」の2つからなっています。

集計・評価方法

① 回答者ごとに調査票の 「仕事の量的負担」「コントロール」「上司支援」「同僚支援」の尺度の得点を以下のように計算する

そうだ、非常に=4点
まあそうだ、かなり=3点
ややちがう、多少=2点
ちがう全くない=1点

② ①の得点の平均値を計算し、仕事のストレス判定図の上にプロットする
③ プロットされた集団の位置を、仕事のストレス判定図上で標準集団(全国平均)と比較する

ストレスチェックの集団分析では、その集団における仕事のストレス要因の特徴を全国平均とくらべて知ることができます。
「仕事のストレス判定図」上の斜めの線は、仕事のストレス要因から予想されるや疾病休業などの健康問題のリスクを標準集団の平均を100 として表しているものです。
健康リスク120 の線上にある場合には、健康問題が起きる可能性が平均とくらべて20%増加していると判断できます。

ストレスチェックの集団分析の結果を活用した職場改善の進め方

ストレスチェックの集団分析の結果を活用した職場環境等の改善とは、職場の物理的レイアウト、労働時間、作業方法、組織、人間関係などの職場環境を改善することで、労働者のストレスを軽減しメンタルヘルス不調を予防しようとする取り組みです。

<職場環境改善のステップ>
① 体制づくり
② 「仕事のストレス判定図」などを用いた職場環境の評価
③ 改善計画の立案
④ 対策の実施
⑤ 効果評価と計画の見直し

具体的な職場環境改善方法としては以下の方法があげられます。

1 事業者や衛生委員会が行う職場環境改善

事業者や衛生委員会が、ストレスチェックの集団分析の結果をもとに労働者のメンタルヘルスに影響を与える職場環境を評価し、対策を立案し実施します。
組織体制や制度の見直し、管理監督者への教育研修が考えられます。

2 管理監督者が行う職場環境改善

管理監督者に対して担当部署のストレスチェックの集団分析の結果を示し、それぞれの職場で職場環境等を評価し、自主的に対策を立案し実施するように求めます。

3 従業員参加型の職場環境改善

ストレスチェックの集団分析の結果をもとに、管理監督者が従業員と話し合いながら、職場環境等の評価と改善のための計画を検討する方法です。
従業員参加型の職場環境改善ワークショップなどを行い、従業員の意見を反映した改善計画を作成し実施します。
職場環境改善方法のなかでは、もっとも効果がある方法であるとされています。

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ストレスチェック集団分析の注意点

ストレスチェックの集団分析は、個人ごとの結果を特定できないため、労働者の同意を取らなくても、実施者から事業者に提供して差し支えありません。
ただし、分析の単位が 10 人を下回る場合には個人が特定されるおそれがあることから、対象となる労働者全員の同意が必要ですが、ストレスチェックの調査項目について集団の平均値だけを求めたり、前記「仕事のストレス判定図」 を用いて分析したりするなど、個人特定につながらない方法で実施する場合は、労働者の同意を取得しなくても構いません。
もっとも、2名といった極端に少人数の集団をストレスチェック結果の集計・分析の対象とすることは、個人特定につながるため不適切です。
また、ストレスチェックの集団分析の結果は、経年で変化を分析することも重要です。事業者側で少なくとも5年間は保存しましょう。
ストレスチェックの集団分析結果は、各集団の管理者にとっては事業場内における評価につながる可能性のある情報です。
管理者に不利益が生じるおそれもあることから、事業場内で制限なく共有することは不適当です。
また、そもそもストレスチェックの受検率が低い場合は、精度の高い集団分析結果を導出することができず、有効な職場環境改善につながりません。
意義ある集団分析、そして職場環境改善のためにも、ストレスチェック制度実施の目的について丁寧に周知することで、受検率アップに努めましょう。

まとめ

今回はストレスチェック制度の集団分析、職場環境改善についてわかりやすく解説しました。
ドクタートラストのストレスチェックサービスにおける集団分析では、職場環境改善で取組むべきことが一目でわかるオリジナルの「満足度分析」をご提供しています。
はじめてストレスチェックを実施する事業場さまも、ベテランの事業場さまもお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

さんぽみち編集部

さんぽみち編集部

産業保健業界トップクラスの株式会社ドクタートラストが運営中。
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