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労働安全衛生法における産業医とは?産業医の仕事内容

労働安全衛生法における産業医とは?産業医の仕事内容

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産業医の選任が義務付けられている事業場の規模や産業医の仕事内容については、労働安全衛生法で定められています。
今回は、労働安全衛生法における産業医の法定業務について、わかりやすく紹介します。

労働安全衛生法における産業医とは

労働安全衛生法における産業医とは、医学に関する専門的な立場から、 職場で労働者の健康管理等を行う医師のことをいいます。
事業者は事業場の規模に応じて産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければなりません。

<労働安全衛生法>
(産業医等)
第13条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。

選任すべき産業医の人数は以下の通りです。

労働者数 選任すべき産業医の人数
労働者数50~499人 嘱託産業医1人
労働者数500~999人 嘱託産業医1人(有害業務の場合は専属産業医1人)
労働者数1,000~3,000人 専属産業医1人
労働者数3,001人~ 専属産業医2人

上記表の「有害業務」とは、労働安全衛生規則13条1項2号にて以下のとおり定められています。

<労働安全衛生規則>
第13条 法第13条第1項の規定による産業医の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。
(中略)
イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
ホ 異常気圧下における業務
ヘ さく岩機、鋲びよう打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
ト 重量物の取扱い等重激な業務
チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
リ 坑内における業務
ヌ 深夜業を含む業務
ル 水銀、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
ヲ 鉛、水銀、クロム、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
カ その他厚生労働大臣が定める業務

選任された産業医は労働得安全衛生規則14条1項の職務を実施しなくてはいけません。

<労働安全衛生規則>
(産業医及び産業歯科医の職務等)
第14条 法第13条第1項の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げる事項で医学に関する専門的知識を必要とするものとする。
一 健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
二 法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項及び第66条の8の4第1項に規定する面接指導並びに法第66条の9に規定する必要な措置の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
三 法第66条の10第1項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査の実施並びに同条第3項に規定する面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
四 作業環境の維持管理に関すること。
五 作業の管理に関すること。
六 前各号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。
七 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
八 衛生教育に関すること。
九 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

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産業医の具体的な仕事内容

労働安全衛生規則14条1項に定められている産業医の職務のうち、実際に行われている仕事の内容について具体的にみていきます。

職場巡視

産業医は、毎月1回以上、職場を巡視し、危険な場所がないか、衛生面や作業環境に問題がないかをチェックします。
また、職場巡視により改善が必要な環境、作業があればアドバイスを行います。
労働安全衛生規則15条では、産業医の職場巡視について次のように定められています。

<労働安全衛生規則>
(産業医の定期巡視)
第15条 産業医は、少なくとも毎月1回(産業医が、事業者から、毎月1回以上、次に掲げる情報の提供を受けている場合であつて、事業者の同意を得ているときは、少なくとも2月に1回)作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
1 第11条第1項の規定により衛生管理者が行う巡視の結果
2 前号に掲げるもののほか、労働者の健康障害を防止し、又は労働者の健康を保持するために必要な情報であつて、衛生委員会又は安全衛生委員会における調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの

衛生委員会への参加

衛生委員会への参加も、産業医の仕事の一つです。
衛生委員会とは、労働者の健康障害の防止や健康の保持増進に関する取り組みなどの重要事項について、労使一体となって調査審議を行う場です。
労働者数50人以上の事業場では毎月1回の実施が労働安全衛生法18条1項で義務づけられています。
また、労働安全衛生法18条2項には、安全衛生委員会の構成員について定めがあり、そのなかに「産業医」が明記されています。

<労働安全衛生法>
(衛生委員会)
第18条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
一 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
三 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。
四 前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項
2 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

健康診断

事業主は、健康診断の結果で異常所見があると診断された労働者について、産業医からの意見聴取を行ったうえで、必要に応じて就業場所や作業内容の変更、労働時間の短縮など、就業上の措置をとらなければならないことが、労働安全衛生法66条の4で定められています。
また、健診結果にかかわらず、産業医は心身の健康に不安のある労働者との面談も行います。

<労働安全衛生法>
(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)
第66条の4 事業者は、第66条第1項から第4項まで若しくは第5項ただし書又は第66条の2の規定による健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。

過重労働者面談

長時間労働をしている労働者に対して面談指導を行うことも、産業医の仕事です。
長時間労働と脳・心臓疾患の発症には深い結びつきがあるとわかっている今、長い時間にわたる労働で疲労の蓄積が認められる労働者に対しては、産業医の面接指導が義務づけられているのですます。

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ストレスチェックにおける産業医面談の役割

労働者数50人以上の事業場では、産業医の選任、衛生委員会の設置とともに、労働安全衛生法におけるストレスチェック制度の実施が義務づけられています。
ストレスチェック制度において、産業医は①実施者、②高ストレス者面談の2つを行います。

ストレスチェックの実施者となる

産業医はストレスチェックの実施者となります。ストレスチェックの実施者とは、ストレスチェックを実施する人のことです。
産業医は、ストレスチェック調査票の選定や評価方法、高ストレス者の選定基準に医学的見地から意見を述べるとともに、面接指導の必要性の判断などを行います。(実施者には産業医のほか、保健師などもなることができます)

高ストレス者との面談

ストレスチェックの結果、高ストレスと判定され、医師による面接指導が必要とされた人から申し出があった場合、産業医は高ストレス者と面談を行います。

ストレスチェックにおける産業医の役割の詳細は以下の記事も参照ください。

ストレスチェックにおける産業医とは?産業医面談では何を話す?

産業医報酬の相場とは

産業医の探し方としては、①産業医専門の紹介会社、②各地域の医師会、③医療機関や健診機関が考えられますが、最近では①産業医専門の紹介会社を利用するのが一般的です。
報酬の相場としては以下が目安のようです。

① 専属産業医

<参考>臨床研修終了後5年目の専属産業医の報酬目安

勤務日数 専属産業医の報酬目安
週3日勤務 600万 ~ 800万円 / 年
週4日勤務 800万 ~ 1,500万円 / 年
週5日勤務 1,500万円以上 / 年

※勤務日数によって異なるほか、都心部から離れた場所などでは産業医が少ないことから相対的に高くなる傾向があり、一概には定まっていません。

② 嘱託産業医

労働者数 嘱託産業医の報酬目安
従業員数 50人未満 60,000 ~ 100,000円 / 月
従業員数 50 ~ 199人 70,000 ~ 150,000円 / 月
従業員数 200 ~ 399人 100,000 ~ 200,000円 / 月
従業員数 400 ~ 599人 150,000 ~ 250,000円 / 月
従業員数 600 ~ 999人 200,000円以上 / 月

なお、上記②にあるように、嘱託産業医の報酬は、従業員規模に応じた体系のところが多いものの、「さんぽみち」を運営するドクタートラストでは従業員数ではなく訪問時間数に応じた費用体系にしており、わかりやすいと好評です。

ドクタートラストの報酬体系

訪問時間数 費用(月)
1時間 45,000円
2時間 60,000円
3時間 80,000円

このほか、従業員数50人未満で産業医の選任義務のない事業場向けのスポットププランなど、さまざまなプランをご用意しており、企業のご要望に応じたサービスを提供することができます。

まとめ

今回は、産業医の法定義務についてかみ砕いてわかりやすく紹介しました。
「さんぽみち」を運営するドクタートラストは、国内最大規模の産業医紹介会社です。
初めて産業医を選任する企業さまにも安心してご利用いただけます。
お困りごと、お見積りなど、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

さんぽみち編集部

さんぽみち編集部

産業保健業界トップクラスの株式会社ドクタートラストが運営中。
衛生委員会や産業保健について、初めての人にもわかりやすく、ていねいにを心掛けて最新情報をお届けします!