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産業医に医療行為はできる?医師との違いを徹底解説

産業医に医療行為はできる?医師との違いを徹底解説

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産業医に医療行為はできると思いますか?
企業で働く産業医も、病院で働く医師も、どちらも医師免許を持った専門職ですが、産業医と医師の違いはどのようなことにあるのでしょうか。
今回は、産業医に医療行為はできるのか、産業医と医師の役割の違いを見ていきましょう。

産業医に医療行為はできるのか

産業医に医療行為はできるのかどうか、気になる人事担当者もいるのではないでしょうか。
産業医面談が実施され従業員の不調が認められたとしたら、その場で治療につなげたほうが円滑に関わることができる印象がありますよね。
ところが、その対応は現実的ではありません。
産業医は医師免許を持っていることから、検査や処方などの医療行為が禁止されているわけではありません。
しかし、医師が医療行為を行うためには診療所を設立し、診療録を設ける必要があります。
つまり、事業場として診療所を設立するなどの体制整備が求められるため、現実的には難しいのです。
1980年代までは制度が異なったため、企業内に診療所を設け、医師と産業医の役割を両立する医師も存在しました。
しかし、現代においては、産業医と医師の役割は大きく異なるものとなっています。
産業医と医師の役割の違いを把握することは、産業医の制度を理解するうえで欠かせないものです。

産業医と医師の違いを比較

続いては、産業医と医師の違いを具体的に比較してみましょう。
医療行為ができるのかどうかだけではなく、それぞれの特徴や基本的な違いを把握することは、産業医制度を正しく利用する好機となります。

立場の違い

産業医と医師には立場の違いがあります。
産業医は、企業と従業員の中立に立ち助言を行います。
どちらの味方になるということではなく、職場が円滑に回るための折衷案を提案するなど、企業と従業員双方の意向を汲み取ることが求められます。
一方で、医師は、患者のために治療を行い、助言をします。
当該患者の状態を改善するためにできることを、患者の立場に立って検討し、治療方針を模索する際も患者の意向を取り入ることが求められます。

資格の有無

産業医、医師ともに、医師法に定められた医師免許を持っています。
また、産業医は医師免許に加え「日本医師会認定産業医」や厚生労働省が認定する国家資格「労働衛生コンサルタント」などを取得しなければなりません。
産業医として活動するため、産業保健に関わる新たな知識を有していること求められます。
その学びの違いが、産業医と医師の違いなのです。

職務の違い

産業医は従業員の健康管理に従事します。処置や治療などの医療行為ではなく、健康診断や面接指導、作業環境の精査や職場巡視などを経ることで、従業員が健康的に働き続けることができる環境づくりに寄与するのが、産業医の役割です。
そのために従業員の労働衛生教育や予防措置など、疾病が発生する前の事象にも率先して関わります。

一方、医師は、診察や検査などを通して、患者の治療に当たります。
病気の原因となるものを見つけ出し、それを治すための医療行為を行うため、疾病が発生した事後に関わります。

職域の違い

産業医は、従業員の健康管理を行うため、企業の一角で面談を行う、企業内を巡視するなど、就労環境での活躍が期待されます。
産業医が自ら企業へ赴き、介入するスタイルです。

一方、医療行為を行う医師は、診療所や病院、訪問診療など、各種医療機関に在籍します。
企業へ個人的に出向くことはなく、医師が勤める先に常駐し、患者を迎え入れるスタイルを保ちます。

産業医の職務内容についてよくある疑問

産業医が具体的に何をする人であるのか不透明であると、産業医に何を求め、何を尋ねたら良いかわかりませんよね。
産業医が企業内で医療行為をすることはほぼありませんが、さまざまな相談に乗ってもらえる心強い存在です。
ここからは、産業医の職務内容について、よくある疑問を細かく解説していきましょう。

産業医面談って何を話すの?

産業医面談は、その名の通り産業医が会話を通して従業員の健康管理に臨むという手段の一つです。
産業医面談では、次のようなことを確認し、改善策を講じることで、メンタルヘルス不調の早期発見や職場環境改善が期待できるのです。

<産業医で確認する事項の例>
・ 従業員自身が感じている不調の内容
・ 就労において苦痛に感じること(人間関係、業務の質や量など)
・ 職場で起こっている問題 など

体調が悪い従業員がいても診断や治療はしてくれない?

産業医は、診断や処方などの医療行為は行いません。
ある程度の病状の見立ては行うものでしょうが、診断名を断定したり、それに見合った薬を出したりすることはないものです。
しかし、明らかに体調が悪い従業員には医療機関の受診をすすめ、症状に該当する診療科を助言します。
そのアドバイスに基づき、相談者は医療機関を探し、受診を試みることになります。
産業医が医療機関を斡旋することはありませんので、従業員や企業が自ら受診先を探す必要があります。

産業医は必ず設置が必要?

産業医は、従業員が50人以上在籍する事業場で必ず設置しなければなりません。
ポイントは「各事業場において50人以上の従業員である」という点です。
支店などが各所にあり、それぞれの事業場が50人を下回っているようであれば、その事業場に産業医の設置義務はなくなります。
ただし、産業医はスポットでの対応を依頼する例もありますので、50人未満の事業場であっても、必要に応じて産業医の介入を促すことが可能です。

産業医はどこで探せばいい?

産業医を斡旋する会社で探すと、迅速に産業医と出会うことができるでしょう。
インターネットの口コミで斡旋会社を探すという手段もありますが、そのようなサイトは信ぴょう性に欠けることも多いようです。
手間ではあるのですが、一つひとつ問い合わせをすることがおすすめです。
各斡旋会社によって得手不得手、料金や契約体系などが異なりますので、慎重にご検討くださいね。

ランキングサイトで比較してよい?産業医紹介会社おすすめの選び方

まとめ

今回は、産業医に医療行為はできるのか、産業医と医師の違いについて解説しました。
「さんぽみち」運営元のドクタードクタートラストは、産業医をご紹介する事業から始まりました。
現在では産業保健師の派遣、メンタルヘルス相談の窓口やセミナーなど、各種サービスを取り揃えておりますが、産業医のご紹介が最も規模の大きいサービスです。
企業様の意向に沿った産業医を、自信を持ってご紹介して参りますので、お気兼ねなくお問い合わせくださいませ。

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この記事を書いた人

精神保健福祉士 八島

精神保健福祉士 八島

精神保健福祉士として精神科医療や障害者福祉に携わり、たくさんの医師や看護師、諸先輩方から臨床を教わってきました。