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ストレスチェック 働き方・産業保健

50人未満のストレスチェック義務化はいつから?2028年施行の法改正ポイントを解説【2026年最新】

2025年5月、改正労働安全衛生法が成立し、ストレスチェックの実施義務が50人未満の事業場にも拡大されることが決定しました。
施行日は2028年4月1日です。この記事では、法改正の背景・経緯・スケジュールを整理します。

実務上の準備の進め方については以下の記事で解説しています。

ストレスチェックが全事業場で義務化された背景と目的

50人未満の小規模事業場でもストレスチェックの義務化が検討されている背景には、精神障害の労災決定件数の増加があります。
厚生労働省が公開した「過労死等の労災補償状況」によると、2023年度の精神障害の労災決定件数は883件と過去最多を記録しており、労働者のメンタルヘルス対策の徹底が喫緊の課題となっています。

また、中小企業においてはメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場も、30~49人の事業場で71.8%、10~29人では56.6%と、小規模事業場においては全体的に取り組みが少ない現状や、外部機関の充実によって規模にかかわらずプライバシーの保護が図れるようになった点が義務拡大の理由として挙げられます。

全事業場へのストレスチェック義務化の目的

50人未満の小規模事業場でのストレスチェック義務化には、社会全体としてメンタルヘルス不調の防止を推し進めていきたい思惑があります。
2023年6月に総務省・経済産業省が公表した「令和3年経済センサス‐活動調査 産業横断的集計(事業所に関する集計・企業等に関する集計)」によると、全事業場の95.9%が小規模事業場であり、50人未満の事業場で働く人は全体の半数以上にのぼります。
そのため、50人未満の事業場でのストレスチェックを義務化することで、より広い範囲にメンタルへルスケアの拡大が可能です。

【最新】ストレスチェックの実施率の現状と、義務化拡大の背景にある課題

ストレスチェックを実施している事業場は、50人以上の事業場で84.7%、50人未満で32.3%にとどまります。
というのも現時点で、ストレスチェックの実施は50人以上の事業場には義務づけられているのに対して、50人未満の小規模事業場では努力義務とされているためです。

ストレスチェック制度は、事業者によるメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)の取組を強化する観点から、平成26年の労働安全衛生法の改正により創設されたが、附則において、産業医の選任義務のない50人未満の事業場については、ストレスチェックの実施が当分の間努力義務とされている。

引用:ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ


第14次労働災害防止計画では、「労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェック実施の割合を2027年(令和9年)までに50%以上とする」としており、未だ目標には届いていません。
小規模事業場でストレスチェックの実施が広がらない主な理由は次の3点です。①実施コストが高い、②実施体制が脆弱、③面接指導後の対応が難しい。今後、これらの課題解決に向けた対策が検討されます。

また、50人未満の小規模事業場へのストレスチェックの実施は義務化されましたが、労働基準監督署への報告は負担軽減の観点から義務づけられていません。。

50人未満の小規模事業場がストレスチェック義務化が与える影響

義務化によって、セルフケアの推進やメンタルヘルス不調の早期発見、離職率の低下などの好影響が期待できます。
また、中小企業でも従業員のメンタルヘルス対策が標準化され、働きやすい職場環境の整備が進むことも期待されています。

一方で、現行のストレスチェック制度は50人以上の事業場での実施を想定して設計されており、産業医の選任義務がなく健康管理体制が整っていない小規模事業場が同じように実施するのは容易ではありません。
特にプライバシーの保護については適切な管理が難しく、外部機関の活用が重要になります。
実務上の準備の進め方については以下の記事で解説しています。

ストレスチェックの義務化スケジュール – 2028年までの準備タイムライン

50人未満の事業場におけるストレスチェック義務化の時期については、中間とりまとめ内で以下のように「十分な準備期間の設定を行うこと」としています。

これらの支援体制の整備、支援を含めた制度の周知、その上での50人未満の事業場における実施体制の整備に要する期間を確保するため、十分な準備期間の設定を行うことが適当である。

引用:ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ

2025年3月14日に閣議決定&国会提出

2025年3月14日、50人未満の小規模事業場でのストレスチェック義務化が盛り込まれた「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、国会に提出されました。

2025年5月8日に衆議院で可決&成立

さらに2025年5月8日に、同法律案は衆議院で可決・成立しました。
「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」の概要は以下の通りです。

50人未満事業場ストレスチェック義務化スケジュールなど
出所:厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案の概要(PDF)」

「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」のうち、50人未満の小規模事業場でのストレスチェック義務化に関わるのは上記「改正の概要」のうち、「2」になります。

2.職場のメンタルヘルス対策の推進【労働安全衛生法】
○ ストレスチェックについて、現在当分の間努力義務となっている労働者数50人未満の事業場についても実施を義務とする。
その際、50人未満の事業場の負担等に配慮し、施行までの十分な準備期間を確保する。

また施行期日、すなわち50人未満の小規模事業場でのストレスチェックが義務となる時期については、2028年4月1日と政令で定められました。

2026年5月18日に「施行期日2028年4月1日」と確定

2026年5月、「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案」が労働政策審議会安全衛生分科会に諮問され、50人未満の事業場へのストレスチェック義務化の施行期日が2028年4月1日と正式に確定しました。

2026年6月10日に官報が発行され併せてパンフレット関係もアップデート

2026年6月10日に官報(国の機関紙)にストレスチェックを全事業場に義務付ける改正労働安全衛生法の施行日が、2028年4月1日になる旨が掲載されました。
またそれに伴って、小規模事業場向けのストレスチェックマニュアルなどがアップデートされています。

今後のスケジュール

2025年度にワーキンググループが設置され、小規模事業場向けストレスチェック実施マニュアルの検討が開始されました。
2026〜2028年度の約2年間が周知・準備期間として設けられています。

50人未満事業場のストレスチェック義務化は2028年4月1日から

ストレスチェックの導入に向けて、従業員への周知なども考えると、2028年4月の施行までに残された時間は決して長くはありません。
閣議決定・衆議院可決・施行期日の確定と、義務化に向けた手続きはすでに完了しており、50人未満の事業場がストレスチェックを実施しなければならないことは確定事項です。

2026年2月には厚生労働省から小規模事業場向けの実施マニュアルも公表されており、準備を始めるための情報は揃っています。
施行直前に慌てることのないよう、早めに実施体制の検討を始めることをおすすめします。
具体的な準備の進め方については以下の記事で解説しています。

ストレスチェック義務化に関して、よくある質問

以下では50人未満のストレスチェックに関連してよく寄せられる質問をまとめました。

Q1. 50人未満の事業場のストレスチェック義務化はいつからですか?

2025年5月8日に「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」が成立し、50人未満の事業場へのストレスチェック義務化が決定しました。施行日は2028年4月1日と政令で定められました。

Q2. 義務化後に実施しなかった場合、罰則はありますか?

義務化後は労働安全衛生法に基づき、是正指導や行政指導の対象となる可能性があります。

Q3. 労働基準監督署への報告は必要ですか?

50人未満の事業場については、負担軽減の観点から労働基準監督署への報告義務は課さない方針です。ただし、適切な実施記録の保管は必要です。

Q4. 義務化後も集団分析は努力義務のままですか?

現時点では集団分析は努力義務にとどまります。ただし、職場環境改善の根拠データとして有効なため、実施することをおすすめします。

Q5. 50人未満の事業場向けのマニュアルはありますか?

あります。2026年2月に厚生労働省が小規模事業場向けの実施マニュアルを公表しています。具体的な準備手順については、別記事で解説しています。

<参考>
厚生労働省「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 中間とりまとめ」
厚生労働省「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」
厚生労働省「令和5年 精神障害に関する事案の労災補償状況」
厚生労働省「第14次労働災害防止計画」
総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 産業横断的集計(事業所に関する集計・企業等に関する集計)」
厚生労働省労働政策審議会建議「今後の労働安全衛生対策について」
厚生労働省「第217回国会(令和7年常会)提出法律案」