社内でストレスチェックをWeb受検に統一しようとしたとき、「この従業員はどうすればいいか」と困るケースは少なくありません。
・業務上PCを日常的に使わない
・メールアドレスを持っていない
・操作に不慣れで対応が難しい
Web受検できない従業員がいる場合でも、対象者が受検しやすい方法を用意し、受検機会を確保することが大切です。
この記事では、Web受検が難しい従業員への対応方法と、紙との併用を実施する際の実務上の注意点を整理します。
目次
Web受検が難しいのはどんなケースか
例えば、日々の業務でPCを使わない従業員は、社用メールアドレスを持っていないことも多く、受検URLの案内自体が届きません。
ITの操作に不慣れな従業員も、操作方法の説明に手間がかかります。
ストレスチェックの性質上、担当者が隣で画面を見ながら説明し続けるような対応は避ける必要があります。
また、休職中の従業員はセキュリティの観点から社内ネットワークへのアクセスが制限されている場合が多く、派遣社員はそもそも自社のシステムに入れないことがあります。
基本の対応は紙との併用
Web受検できない従業員がいる場合は、紙の調査票を用意する、共用端末で受検できる時間を設けるなど、別の受検方法を検討します。
なかでも、Webと紙を併用する方法は実務上取り入れやすい対応のひとつです。
多くの外部委託サービスが両方式に対応しており、従業員ごとに受検方法を分けることが可能です。
紙受検を一部導入する場合の基本的な流れは次のとおりです。
- 調査票を配布する
- Web受検が難しい従業員に、紙の調査票を配布します。回答内容が周囲に見えないよう、記入場所にも配慮しましょう。
- 回答済み調査票を回収する
- 記入後は封筒に入れて提出してもらうなど、回答内容が第三者の目に触れない方法で回収します。
- 外部委託先へ送付し、集計・判定を行う
- 回収した調査票は、あらかじめ決めた方法で外部委託先へ送付します。紙受検分もWeb受検分とあわせて集計・判定できるか確認しておきましょう。
- 結果通知や高ストレス者対応を行う
- 集計後は、Web受検者と同様に本人へ結果を通知します。高ストレス者に該当する場合は、医師による面接指導の案内につなげます。
ストレスチェック結果の記録は、法令に基づき5年間保存する必要があります。
ただし、回答済み調査票や個人結果はプライバシーに関わる情報を含むため、誰が保管するのか、外部委託先に保存を委託するのか、事前に取り扱いを決めておくことが大切です。
紙で運用する場合は施錠できるキャビネットなど、アクセスを制限できる保管場所を確保しておきましょう。

休職者・派遣社員はどう扱うか
休職者と派遣社員のストレスチェック受検についてはどう対応すればよいのでしょうか。
休職者について
ストレスチェックの実施時期に休職している労働者については、実施しなくても差し支えありません。
ただし、業務上の都合や長期出張など、やむを得ない理由で受検できなかった場合は別途受検機会を設ける必要があります。
休職と欠勤では扱いが異なる点に注意が必要です。
派遣社員について
派遣社員については、派遣元の企業がストレスチェックの実施義務を負います。
派遣先企業には法的な実施義務はありませんが、派遣元が実施するストレスチェックを受けやすいよう、就業時間内の受検や案内方法について協力を求められる場合があります。
また、派遣先の職場環境を把握する目的で、派遣先が独自にストレスチェックを行うケースもあります。
外部委託先を選ぶ際の確認ポイント
Web受検できない従業員がいる事業場は、委託先を選ぶ際に以下を確認しておくとスムーズです。
紙・Web両方式への対応可否はもちろん、紙受検分の集計・データ統合まで委託先でカバーできるかどうかが重要です。
自社で入力・集計を担う場合には担当者に負担が生じます。
また、外国人従業員がいる場合は多言語対応の有無も確認しておきましょう。

紙受検で最も注意すべきなのは個人情報の取り扱い
紙でストレスチェックを実施する場合、回答内容が人事担当者や上司の目に触れないよう注意が必要です。
記入後は封筒に入れて提出してもらう、外部委託先へ直接送付するなど、回答内容を第三者が確認できない運用にしましょう。
また、回収した調査票を一時的に社内で保管する場合は、施錠できる場所で管理し、閲覧できる担当者を限定しておくことが大切です。
よくある質問(Q&A)
Q1.ストレスチェックをWeb受検できない従業員にはどう対応すればよいですか?
Web受検できない従業員がいる場合、基本的にはWebと紙の調査票の併用が望ましいでしょう。多くの外部委託サービスで併用受検は可能です。
Q2.紙受検とWeb受検の結果は一緒に集計できますか?
外部委託サービスの多くは両方式の結果を統合して集計することが可能です。
委託先に確認した上で、紙分の回収・送付フローを事前に決めておきましょう。
Q3.紙の回答用紙はどのように管理すればよいですか?
回答済みの調査票は個人情報に該当するため、封筒に入れた状態で回収し、鍵のかかる場所で保管することが基本です。
外部委託先への送付後は手元に残さないことが望ましいです。
Q4. Web受検できない従業員だけ後日実施してもよいですか?
実施期間内であれば後日実施することは可能です。ただし、紙受検は配布・回収・送付に時間がかかるため、回収期限には余裕を持たせておきましょう。
Q5.休職中の従業員を受検させることはできますか?
ストレスチェックの実施時期に休職している労働者については、実施しなくても差し支えないとされています。一方で、休職ではなく、業務上の都合や長期出張などで受検できなかった場合は、別途受検機会を設ける必要があります。




