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2015年12月に始まったストレスチェック制度は、一定の要件に該当する事業者に対して法律で実施が義務づけられていることをご存じでしょうか?
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今回は、ストレスチェック制度がどのような法律によって実施が義務づけられているのか、また未実施だった場合の定めがあるのかなどについてわかりやすく解説します。
目次
ストレスチェック実施は法律上の義務
ストレスチェックは、2015年12月から従業員50名以上の事業場で実施が義務づけられ、労働安全衛生法に定めが置かれています。
労働安全衛生法第66条の10
ストレスチェック制度は、労働安全衛生法66条の10に以下のとおり定めが置かれています。
労働安全衛生法
(心理的な負担の程度を把握するための検査等)
第66条の10 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。
法律中に「心理的な負担の程度を把握するための検査」とあるのが「ストレスチェック制度」のことです。
ストレスチェックの実施は、2014年6月に公布、2015年12月に施行された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」で、従業員50名以上の事業場に対して義務化されました。
法律上の義務が課せられる人
また、前掲労働安全衛生法66条の10が「事業者は」で始まっていることからもわかるように、ストレスチェック制度は、事業者に実施が義務づけられています(従業員数50名未満の事業場は努力義務)。
ちなみに、従業員側には法律上、「ストレスチェック受検の義務」は課されていません。
ストレスチェック報告も法律上の義務
前述のとおり、ストレスチェック制度の実施は労働安全衛生法によって、法律上の義務として定められています。
また、実施後の「報告」についても同様に、労働安全衛生法によって、法律上の義務として定められているのです。
労働安全衛生法第100条
労働安全衛生法には、以下のようにストレスチェック制度の実施について報告の義務が課されています。
労働安全衛生法
(報告等)
第100条 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者、労働者、機械等貸与者、建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
2 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、登録製造時等検査機関等に対し、必要な事項を報告させることができる。
3 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
法律上の義務が課せられる人
ストレスチェック制度報告の義務については、労働安全衛生規則52条の21に詳しく定めが置かれており、1年以内に1度、すなわち年に1度、「事業者」に義務が課されています。
労働安全衛生規則
(検査及び面接指導結果の報告)
第52条の21 常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(様式第6号の2)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
ストレスチェック実施・報告義務を怠った場合の罰則
ストレスチェックの実施や報告が事業者に課せられた法律上の義務であることはわかりましたが、ストレスチェックを実施しなかった場合、または実施したけど報告を行った場合の罰則はあるのでしょうか?
以下でわかりやすく見ていきます。
ストレスチェックの実施義務に関する罰則
ストレスチェック制度の実施については、従業員50名以上の事業場で実施が義務づけられています。
しかし実施しないことに対する直接的な罰則の定めはありません。
ストレスチェックの報告義務に関する罰則
一方で、ストレスチェックの報告については、これを怠る、あるいは虚偽の報告をした場合は、労働安全衛生法120条5項にもとづいて、最大50万円の罰金が課される可能性があります。
労働安全衛生法
第120条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
(中略)
5 第100条第1項又は第3項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者
さらに、ストレスチェック実施の義務があるにもかかわらず実施していない事業者は、安全配慮義務違反に問われる可能性もあります。
事業者に課された安全配慮義務とは、「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」というものです。
つまり、労働者のこころの安全を確保するために必要なストレスチェックの実施を怠るということは、安全配慮義務違反にあたる可能性もあるのです。
まとめ
今回はストレスチェック制度の法令根拠、罰則などについてわかりやすく解説しました。
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